用途で選ぶ — レース・スピード練習・万能・ジョグ・初めての1足

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シューズを選ぶ決め手は、数値そのものではなくその1足を何のために履くかです。用途が決まると、見るべき数値と、その数値をどちらに振るかが決まります。

この記事では、シューログの入口にある5つ——レース、スピード練習、万能(ジョグ+スピード練習)、ジョグ、初めての1足——について、何のための1足か・見る数値・その条件での検索先を並べます。

運営者が実際に3足を決めた流れ(用途を決めて、数値で絞って、感覚で決める)は私のランニングシューズの選び方にあります。

1足で十分か、用途で分けるかは、後半の「1足で十分? 用途で分ける?」にまとめています。

結論

シューズは数値から入るより、その1足を何のために履くかを先に決めた方が絞り込めます。用途が決まると、見るべき数値と、その数値をどちらに振るかが決まります。

動画で見る1足で兼ねる? 用途で分ける?YouTube で見る(新しいタブで開きます)

前提 — 用途と練習・レースの関係

結論:分類は「どの練習で主に使うか」で分かれます。レースで履く1足は、目標タイムによって候補が変わります。

模式図。上段:レース向けは主にレース、スピード練習向けは閾値走からインターバル(ジョグからレースまで兼ねることがある)、万能(ジョグ+スピード練習)はジョグからインターバル、ジョグ向けはLSDからペース走を想定し、いずれも隣の練習を兼ねることがある。下段:フルマラソン完走からサブ5はジョグ向けの靴、サブ5からサブ3.5はスピード練習向け、サブ3.5より速い目標はレース向けが候補になる(運営者の考え)
上:用途別に主に想定する練習。
下:目標タイム別に候補になる靴(運営者の考え)。
どちらも目安です。
分類について(補足)

1足が複数の分類に登場するのは、複数の使い方を想定した設計のモデルがあるためです。カードのラベルはその靴の代表的な分類なので、この記事の分類と一致しないことがあります。どれで使うかは、走力や目標によっても変わります。この記事は、使う場面がはっきりしている人向けの順に並べています。

上の段は、それぞれの靴が主に想定している練習です。濃い帯が主な範囲、薄い帯は兼ねることがある範囲で、1足が隣の練習を兼ねることはよくあります。

下の段は、レースで履く1足の目安です。レースのペースは走力で変わるので、フルマラソンの目標が完走〜サブ5ならジョグ向け、サブ5〜サブ3.5ならスピード練習向け、サブ3.5〜ならレース向けの靴が候補です。これは運営者の考えで、境目は人によって前後します。

用途ごとに、数値はどれだけ違う?

結論:重さは用途で違い、レース向けがいちばん軽くなっています。定価はレース向けだけが高く、かかとの厚さの中央値は用途で大きくは変わりません。

下の表は、用途ごとの中央値です。中央値は、値を小さい順に並べたときの真ん中の値で、とても重い・高いモデルが少しあっても、平均よりずれにくい値です。

用途ごとの中央値(メーカー公表値・2026年11月5日時点)

用途重さ定価かかとの厚さ
レース(41足)200g29,700円39.5mm
スピード練習(39足)245g20,900円38mm
万能(25足)250g19,800円38mm
ジョグ(84足)272g19,800円38.5mm
今買えるモデル(廃番・発売前・日本発売未定を除く)で数えています。1足が2つ以上の用途に入ることがあります。重さは基準サイズ(何cmで量ったか)を公表していない値も含みます。重さ・定価・かかとの厚さは、それぞれ値があるモデルだけで数えています。

スピード練習向けと万能の重さは、レース向けとジョグ向けの間です。定価はスピード練習・万能・ジョグの3つで近い値です。レース用を別に持つと、軽いシューズが手に入る代わりに値段が上がります(1足で十分? 用途で分ける?)。

レース — レースで使う1足

結論:レース向けは、出る大会を決めてから選ぶと絞り込めます。フルマラソンを想定するならクッション、短い距離なら軽さ、というように、必要な軽さとクッションのバランスが変わります。

ここでの「レース向け」は、メーカーがレース用として位置づけているモデルのことで、多くはカーボンプレート入りです。「あなたがレースで履くべき靴」という意味ではありません。目標タイム別に候補になる靴は、第1節の図の下段を見てください。

ここに並ぶモデルは、カーボンプレートや、軽さを優先した設計を採るものが多く、価格帯は掲載している中で最も高くなります。ただしプレートの硬さには合う・合わないがあるとされ、レース用が誰にとっても速く走れる靴とは限りません。まず大会と距離、次に数値の順で絞ってください。

見る数値は2つです。

数値 見る理由
重量 レース後半やロング走での脚の残り、ピッチの上げやすさに影響します。ただし軽い=速い・良いとは限らず、軽量化はミッドソールの厚みや保護性とのトレードオフになりやすい数値です
プレートの素材 研究では、プレートの硬さを下げても消費エネルギーはほぼ同じでした。硬さが合わない・価格が高い・脚づくりができていないと使いこなしにくい、といった声もあります

重量を比べるときは基準サイズをそろえてください。メーカーごとに計測の基準サイズ(片足27cm・28cmなど)が異なるため、数値をそのまま比べる前に基準を揃える必要があります。各モデルの基準サイズ(メーカーが公表していない場合はその旨)と出典は個別ページに明記しています。

この用途の掲載範囲は、レースでの使用を想定した用途分類のモデルです。

2026年の箱根駅伝では、出走210人のうち75人(35.7%)がアディダスを履き、ブランド別で2年連続の最多でした(アルペン・FASHIONSNAPの集計、2026年1月)。下のアディオス プロ 4は、そのアディダスのレース用モデルの一つです。

出典(2本)

この用途で探す → レース向けを検索する

レース向けは長持ちする?

結論:軽さを優先して、耐久性を割り切ったモデルもあります。ただ、使える距離を公表しているメーカーは一部だけです。

メーカーが距離の目安を公表している例として、PUMAは一部のモデルで「耐久距離」を公表していて、ヴェロシティ ニトロ 5は800km(目安)、レース用のFAST-R ニトロ エリート 3は約150kmです。ただし距離を公表しているモデルは少なく、測り方も書かれていません。

0200400600800kmレース用の1足約150kmジョグ用の1足800km(目安)PUMAが一部のモデルで公表している距離の例。測り方は書かれていない
PUMAが公表している耐久距離の一例(ジョグ用の1足=ヴェロシティ ニトロ 5〔シューログの分け方ではスピード練習と万能にも入る〕、レース用の1足=FAST-R ニトロ エリート 3)。出典:PUMA公式 ヴェロシティ ニトロ 5(「耐久距離目安: 800km」)・FAST-R ニトロ エリート 3(「耐久距離: 約150km」)・2026-10-29確認

距離を公表していないシューズの替え時の見方は、耐久性の見方にまとめています。

スピード練習 — ペースを上げて走る日に

結論:スピード練習向けは、レース用とジョグ用の中間です。練習の速い日のための1足を選ぶときの選択肢になります。

インターバルや閾値走のように、ペースを上げて走る日に使うことを想定したモデルです。インターバルは、速く走る区間とゆっくりつなぐ区間を繰り返す練習です。閾値走は、きついけれど保てる速めのペースで、20分ほど走る練習のことが多く、同じ意味で「テンポ走」と呼ぶ人もいます。

インターバル高い棒=速く走る区間低い棒=ゆっくりつなぐ区間閾値走約20分きついけれど保てる速めのペースで20分ほど走ることが多い(テンポ走とも)
インターバルと閾値走のイメージ(模式図)。閾値走の「約20分」はよくある目安です。

レース専用ほど軽さや反発に振り切っていないぶん価格も抑えめで、練習量が多い時期でも選びやすい価格帯です。

見る数値は、重量と厚み、価格です。プレートが入っているモデルなら、その素材も見てください。想定される練習の速さには幅があり、同じスピード練習向けでも重量や厚みはモデルによって大きく違います。用途の名前だけで決めず、重量の数値でも絞って範囲を確かめてください。

この用途の掲載範囲は、閾値走やインターバルでの使用を想定した用途分類のモデルです。

この用途で探す → スピード練習向けを検索する

万能 — ジョグもスピード練習も兼ねたいなら(いわゆる万能シューズ)

シューログの用途の分類(メーカーの用途の表示を第一に、表示が無いモデルは公表値から判定)で、ジョグとスピード練習の両方に入り、レースの分類には入らないモデルです。カーボンプレートの搭載を公表しているモデルは除きます。この一覧に無い靴が、ジョグやスピード練習に向かないという意味ではありません。条件を満たしていても、スピード練習寄りの1モデルはシューログの判断で外しています。

結論:ジョグを中心に、ペースを上げる日にも1足で使いたいときの選択肢です。

スピード練習との違いは、使い方です。速い日用に別の1足を持つか、1足で両方に使うかの違いです。スピード練習(上)とジョグ(下)の一覧に同じモデルがあるのはそのためで、どちらから見ても構いません。

見る数値は、重量と厚み、価格です。ジョグに寄せるなら厚みとクッション、ペースを上げる日を重くみるなら重量、というように、どちらに寄せるかで見る数値の重みが変わります。重量を比べるときは基準サイズをそろえてください。

この用途で探す → ジョグとスピード練習の両方に入るモデルを検索する

ジョグ — 走る量を積むための1足

結論:ジョグ向けは、走る量を積むためのモデルです。1足目に選ぶなら、まずここから見てください。

ジョグ・距離走(LSD)・リカバリーといった、ペースを上げない練習での使用を想定したモデルで、クッションの厚さや幅(ワイズ)の展開が広く、選択肢の中心になります。ただし数が多いぶん、何も決めずに見ると絞りきれません。クッションの厚さ、足幅、価格のどれを優先するかを先に決めてから一覧を見てください。

優先を決めるための絞り込みは3つ用意しています。

絞り込み 中身
マックスクッション クッションの区分がマックスクッションのモデル(メーカー公式の訴求分類ベース)
幅広 ワイドまたはエクストラワイドの幅展開があるとメーカーが公表しているモデル
安定性 メーカーが安定性・オーバープロネーション対応を公表しているモデル。公表が無いモデルは「安定性がない」という意味ではありません

足幅や甲の高さが合わないと、長い距離で痛みや靴擦れの原因になります。幅が合わないまま大きいサイズで代用すると、長さが余ってかかとや指先が合わなくなることがあります。幅の展開があるモデルなら、長さを変えずに幅だけ合わせられます。ただし最適なフィットは実際の着用で変わるため、数値は目安として使ってください。

ジョグ向けは一番よく履くことになる1足なので、耐久性は耐久性の見方も参考にしてください。

この用途の掲載範囲は、ジョグや距離走での使用を想定した用途分類のモデルです。

この用途で探す → ジョグ向けを検索する

初めての1足 — まだ決まっていないなら

結論:初めての1足は、ジョグ向けでプレートのないモデルが出発点になります。

これは他の4つとは性質が違い、「まだ分からない」という読者の答えに対応する5番目の入口です。用途が決まっていない段階で選びやすいように、シューログ側で条件を決めて絞っています。

プレートの硬さには合う・合わないがあるとされ、脚づくりを前提にすることがあります。そのため、ここではプレートを使っていないとメーカーが公表しているモデルに限っています。プレートの有無を公表していないモデルは含めていません。「非公表」は「プレートが無い」という意味ではないためです。

絞り込みの条件は3つで、すべてを満たすモデルだけが出ます。ただし、条件を満たしていても、スピード練習寄りの1モデルはシューログの判断で外しています。

条件 中身
① 用途 ジョグ・距離走での使用を想定した用途分類
② プレート プレートを使っていないとメーカーが公表している
③ 定価 定価が2万円以下

質問に答えて、定価の帯ごとに靴を見るなら → 初心者のランニングシューズの選び方(4つの質問で候補を絞る)

この一覧からさらに絞るなら、幅の展開があるモデルだけを見ることもできます。

この用途で探す → 初めての1足を検索する

高い靴は要る? 1万円くらいでいい?

結論:高い靴でないと怪我が増える、という裏付けは、調べた範囲の研究では見つかっていません。1万円前後でも、この節の条件(ジョグ向け・プレートなし)に合い、足に合う靴なら候補になります。

調べた範囲では、靴の値段と怪我の関係を、買った後まで追って調べた研究はわずかでした。ベルギーの研究チームが、走る人と歩く人あわせて208人を24週間追った研究では、靴の値段と怪我のあいだに関係は見つかりませんでした。ただし、今の日本で1万円前後の靴を調べたものではありません。

出典(1本)
  • 出典:Willems, T. M., De Ridder, R., Roosen, P.「Is consumer behaviour towards footwear predisposing for lower extremity injuries in runners and walkers? A prospective study」Journal of Foot and Ankle Research 12:43, 2019(DOI: 10.1186/s13047-019-0354-x・ゲント大学(ベルギー)の研究チームが、走る人104人・歩く人104人を24週間追った前向き研究。靴の値段と怪我のあいだに有意な関連は見つからなかった(p=0.596)。値段の区分は本文に書かれていない・2026-10-15確認)

楽天市場・Yahoo!ショッピングで取得した掲載価格は、最安値から探す(シューログ調べ)のページに、初めての1足の条件で絞って、安い順に並べています。値下がりしている出品はサイズや色が限られることもあるので、買う前に販売ページで確かめてください。

1足で十分? 用途で分ける? — 研究から分かること

結論:「分けないと損」とも「1足で十分」とも、研究からは言い切れません。手がかりは3つあります——何足かを交代で使うこと、厚底のレース用シューズ、万能シューズです。

① 何足かを交代で使う

市民ランナー264人を追った研究では、2足以上を交代で使っていた人は、そうでない人より怪我のリスクが約4割低い、という結果でした。

ただし、これは観察の研究です。条件を決めて分けた実験ではなく、普段どおりに走る人を記録して比べた研究なので、交代で使ったから怪我が減った、とまでは言えません。用途で分けていたかどうかも、研究の要旨からは分かりません。

観察の研究2足以上を交代で使っていた人は交代で使わない人と比べて怪我のリスクが約4割低い普段どおりに走る人を記録して比べた研究=交代で使ったから減った、とまでは言えない用途で分けていたかは要旨から分からない
Malisoux ほか(2015)・市民ランナー264人・ハザード比 0.61(95%信頼区間 0.39〜0.97)。
出典(1本)
  • 出典:Malisoux, L., Ramesh, J., Mann, R., Seil, R., Urhausen, A., Theisen, D.「Can parallel use of different running shoes decrease running-related injury risk?」Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports 25(1):110-115, 2015(DOI: 10.1111/sms.12154・前向きコホート研究(264名・平均15.5週)。靴の使い方は割り付けではなく参加者の自己選択・2026-08-22確認)

② 厚底のレース用シューズ

調べた範囲では、厚底のレース用シューズで、走る効率が平均で数%良くなった、という結果の実験が多くありました。ここでの走る効率は、同じ速さで走ったときに使う酸素の量やエネルギーのことで、少ないほど効率が良いと考えます。タイムを測った数字ではありません。

同じ速さで走ったとき使った酸素・エネルギー(棒の高さ)従来のレース用厚底のレース用少ないほど効率が良い。タイムではない(模式図・棒の高さは実際の割合ではない)
走る効率の模式図。
  • ナイキの試作のレース用シューズは、もともとあるマラソン用のシューズ2足より、平均で約4%効率が良い結果でした(18人・重さはそろえて比較)。
  • 市販のレース用の厚底シューズ(Nike Vaporfly 4%)でも、ほかのマラソン用のシューズ2足より、使う酸素が2.8%・1.9%少ない結果でした(19人)。
  • ジョグくらいのゆっくりのペース(時速7.5〜12km)で比べた実験でも、同じメーカーのレース用は普段用より、使う酸素が約2.5%少ない結果でした(14人)。

ただし、人とシューズによっては逆のこともあります。市販の厚底のプレートシューズ3モデルを、従来の薄いレース用シューズと比べた実験では、ケニアの世界クラスの選手7人×3モデルの組み合わせで、10%以上良くなった場合もあれば、同じくらい悪くなった場合もありました。この7人では、平均ではっきりした差は出ませんでした。

効率の変化(従来の薄いレース用と比べて)良く悪く0=変化なし+11.4%(良くなった)−11.3%(悪くなった)ケニアの世界クラスの選手7人×厚底3モデル。棒=7人×3モデルの個々の値の範囲。平均では、はっきりした違いは出なかった
厚底のシューズでも、人とシューズの組み合わせで効率の変化は大きく違った。Knopp ほか(2023)・アディダスの資金。

17の試験をまとめた研究では、タイムも厚底のレース用シューズのほうが良い向きでしたが、効果の大きさは小さめでした。速いペースで走るほど効くかどうかは、統計ではっきりした差が出ていません。速いペースだけで効くとも、ペースに関係ないとも言い切れません。

出典(5本)
  • 出典:Hoogkamer, W., Kipp, S., Frank, J.H., Farina, E.M., Luo, G., Kram, R.「A Comparison of the Energetic Cost of Running in Marathon Racing Shoes」Sports Medicine 48(4):1009-1019, 2018(DOI: 10.1007/s40279-017-0811-2・オンライン先行公開2017-11-16/同誌に訂正記事あり(doi:10.1007/s40279-017-0840-x)・2026-08-22確認)
  • 出典:Hunter, I., McLeod, A., Valentine, D., Low, T., Ward, J., Hager, R.「Running economy, mechanics, and marathon racing shoes」Journal of Sports Sciences 37(20):2367-2373, 2019(DOI: 10.1080/02640414.2019.1633837・19人・時速約16km(4.44m/s)で、市販の Nike Vaporfly 4% を2足のマラソン用シューズと比べた実験。要旨で確認(性別と資金は要旨に記載なし)・2026-10-29確認)
  • 出典:Bolliger, A., Spengler, C.M., Beltrami, F.G.「Impact of Advanced Footwear Technology on Running Economy at Slower Running Speeds: A Randomised, Cross-Over Investigation」Sports Medicine - Open 12:12, 2026(DOI: 10.1186/s40798-026-00977-3・14人(男性6・女性8)・時速7.5〜12km。On のレース用(Cloudboom Echo 3)と普段用(Cloudrunner 2)ほかを比べた実験。靴は On が提供し、研究室は On から本研究と無関係の寄付を受けている。全文で確認・2026-10-29確認)
  • 出典:Knopp, M., Muñiz-Pardos, B., Wackerhage, H., Schönfelder, M., Guppy, F., Pitsiladis, Y., Ruiz, D.「Variability in Running Economy of Kenyan World-Class and European Amateur Male Runners with Advanced Footwear Running Technology: Experimental and Meta-analysis Results」Sports Medicine 53(6):1255-1271, 2023(DOI: 10.1007/s40279-023-01816-1・各群7名。著者自身が検出力不足であると明記し、世界クラス群の検出力を5.2〜20.4%と算出している。adidas社の資金提供で著者2名が同社社員。女性は含まれていない・2026-08-24確認)
  • 出典:Xiao, Y., Hu, X., Tian, D., Qiu, A.「Effects of Advanced Footwear Technology on Running Economy and Endurance Performance: A Meta-Analysis」International Journal of Sports Medicine 47(2):81-94, 2026(DOI: 10.1055/a-2637-7283・17のランダム化クロスオーバー試験・281人のメタ分析。速さとの関係の回帰は統計的に有意でない(p=0.200・0.436)。要旨で確認(資金は要旨に記載なし)・2026-10-29確認)

レース向けは、定価の中央値がほかの用途より高く(上の表)、耐久性を割り切ったモデルもあります。効率の上乗せと、値段や耐久性のどちらを取るかは、目標や予算で人によって違います。

③ 万能シューズ

ジョグもスピード練習も1足でしたいときは、万能が候補になります。これは研究ではなく、シューログの用途の分け方です。万能に入らないシューズが、1足で済ませるのに向かないという意味ではありません。

研究の限界

ここで紹介した研究は、人数の少ない短い実験が多く、鍛えた男性が中心です。ナイキ(試作の実験)やアディダス(7人×3モデルの実験)が資金を出した研究、On が靴を提供した研究もあります。交代で使う研究、19人の実験、17の試験をまとめた研究は、要旨までしか確かめていません。市民ランナーに、そのまま当てはまるとは限りません。

運営者の考え — 目標タイム別の組み合わせ

ここからは研究ではなく、運営者の考えです。レースまで1足で十分かは、フルマラソンの目標タイムで変わると考えています。走力によってレースのペースが変わり、レース用の値段や耐久性に見合うかも変わるためです(ゆっくりのペースでも効率が良くなった実験はあります)。

目標タイム別のシューズの組み合わせ(運営者の考え・目安):

フルマラソンの目標 シューズの組み合わせ
完走〜サブ5 1足:万能かジョグ向けの1足で、練習もレースも
サブ5〜サブ3.5 2足:ジョグ用+スピード練習向け(レースはスピード練習向け)
サブ3.5より速い 3足:ジョグ用・スピード練習用・レース用

サブ5は5時間を切ること、サブ3.5は3時間30分を切ることです。

境目は目安で、人によって前後します。自分の目標に近い行と、今持っているシューズの数を比べてみてください。

まとめ — 用途を決めてから数値を見る

結論:シューズは数値から入るより、その1足を何のために履くかを先に決めた方が絞り込めます。用途が決まると、見るべき数値と、その数値をどちらに振るかが決まります。

用途 何のための1足か 先に見る数値
レース レースで使う1足 重量・プレートの素材
スピード練習 ペースを上げて走る日に 重量・厚み・(プレートの素材)・価格
万能(ジョグ+スピード練習) ジョグもスピード練習も兼ねたいなら 重量・厚み・価格(どちらに寄せるかで重みが変わります)
ジョグ 走る量を積むための1足 クッションの厚さ・足幅・価格
初めての1足 まだ決まっていないなら ジョグと同じ

1足で十分か、用途で分けるかは、研究からは言い切れません。考える手がかり3つ(交代で使う・レース用・万能)は1足で十分? 用途で分ける?にまとめています。

運営者自身が「用途を決めて、数値で絞って、感覚で決める」流れで3足を決めた実例は私のランニングシューズの選び方にあります。

用途が決まったら、次は数値の側から絞ります。ドロップ・ソール厚・重量に加えて、プレート・ワイズで絞る読み方も数値の読み方にまとめています。

先に決めるのは数値ではなく、履く場面。

次のステップ:5つの用途からシューズを探す

公開日 2026-09-02|更新日 2026-10-29

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