私のランニングシューズの選び方 — 数値で絞り、感覚で決め、数値で裏付ける

結論

シューズを最後に決めるのは、数値ではなく感覚です。でも、感覚には根拠を持たせられます。

この記事は、運営者個人の購入体験と考え方の記録です。シューログとしての実走テストや独自の計測に基づくものではありません。記事中の数値はすべてメーカー公表値です。

私は市民ランナーで、このサイトの運営者です。2025年2月の延岡西日本マラソンで2時間56分54秒——サブ3(フルマラソン3時間切り)を達成しました。数値のデータベースを作っている本人が言うのも変ですが、数値がすべてを決めるとは思っていません。さまざまな数値をすべて突き合わせて、最後の答えを出せるのは、結局その人の感覚です。人の決定に絶対はありません。

それでも、感覚には根拠を持たせたほうがいい。感覚を数値に落とし込み、自分の物差しを持てば、選択肢が広がって、失敗が減る——これは私の実感です(あなたへの保証ではありません)。

この記事では、私がいま履いている3足を「実際にどう決めたか」そのまま公開します。きれいな理論ではなく、予算の都合も、デザイン優先で数値の出番がほとんどなかった買い物も、そのまま書きます。なお3足の一部はすでに販売終了していますが、選び方の考え方は現行モデルでも同じです。

数値の使い方は3つ

結論:数値の役割は「決める」ではなく、絞る・裏付ける・物差しにする、の3つです。

数値のサイトなのに、数値で決めないの?

シューログ

最後に決めるのは数値ではありません。数値は、候補を絞る・感じたことを裏付ける・自分の物差しを作る、という3つの道具として使います。

  1. 絞る:予算・重量・素材で、試す前に候補を減らす
  2. 裏付ける:「なんか良い」と感じた靴が、データに裏付けされたものか確認する
  3. 物差しにする:自分の好みの感覚を、数値のレンジとして言葉にする

この3つを実際の買い物でどう使ったか——そして、どこで使わなかったかを、1足ずつ書きます。

レース用:アディゼロ アディオス プロ 3

結論:決め手は400mのタイムでした。数値は、その体感の裏付けと、試す前の絞り込みに使いました。

欲しかったのは「タイムが出せて、練習でも長く使えるレースシューズ」です。耐久性と価格を重視したのは、正直に言えばお金に余裕がないからで、この2つは、人によっては重みを下げていい項目だと思います。

重視した順に書きます。

  1. タイム:試し履きや試走会の機会に、同じ感覚のインターバルペースで400mを走り、タイムを比べて決めました。試せる機会は別の日に分かれることも多いので、タイムと走った感覚のメモを残して、後日比べられるようにしています
  2. 反発性:そのタイムが偶然でないか、海外サイトRunRepeatの反発性の実測データで裏付けを確認しました
  3. 軽量性:反発性と同じく、タイムの裏付けの確認です。レース用は200g以下なら問題ない、と考えていました
  4. 耐久性:ポイント練習(スピード練習など強度の高い日)でも長く使いたかったので、ミッドソール素材の耐久性を解説するRunRepeatのフォーム素材ガイドを参考に、adidasのLightstrike Pro搭載モデルと、PUMAのNitro Elite搭載モデルまで候補を絞りました
  5. 価格:予算3万円以内
  6. 感覚の好み:普通〜やや硬めの接地、普通〜やや速めの反発が好みです

正直に書くと、プロ 3の公表重量は215g(27.0cm基準)で、数字のうえでは「200g以下」の線を超えています。ただ、私のサイズは25.5cm。シューズの重量はサイズで変わるので、自分の一足は200gだったはず、という感覚です。実際、他の200g以下のシューズと比べて、明らかな重さの違いは感じませんでした。公表重量を見るときは、基準サイズと自分のサイズの差もあわせて見る——これもこの買い物で覚えたことです。

この選び方をなぞるなら:試せる機会(メーカーの試走会、専門店の試し履き、レース会場のブースなど)を先に探す→試す前に予算と数値で候補を減らす→体感が数値と合っているか確かめる、の順です。

試す前の絞り込みは、シューズ検索の数値レンジでできます。

ジョグ用:アディゼロ SL 2

結論:最上位は「毎日履きたいと思うか」。数値は、前足部25〜30mmという自分の物差しの確認に使いました。

欲しかったのは「足を守る・足を鍛える・耐久性」のバランスが取れたジョグシューズです。厚底すぎず、反発も高すぎず、地脚(クッションに頼らない基礎的な脚力)を鍛える感覚があること。一方で速めのジョグもこなせること。距離を踏む消耗品なので、価格も重要でした。

重視した順に書きます。

  1. 総合的な感覚:毎日履きたいと思うか。コンセプト通りのシューズか
  2. 接地の感覚:地脚を鍛える感覚・接地感があるか。普段のシューズが柔らかすぎると硬めのシューズに戻れなくなる感覚があるので、ジョグ用は普通〜やや硬めを選びます
  3. ソールの厚さ:「足を守る」は厚さ25mm以上、「足を鍛える」は前足部25〜30mmくらい、というのが私のイメージです。SL 2の公表値は前足部26mm・かかと36mm——この物差しに収まっていました(公式ページ内には前足部27mmの表記もあり、シューログは日英の表記が一致する26mmを採用しています)
  4. 反発性:「なんか良い」がデータに裏付けられたものか、RunRepeatの反発性の実測データで確認しました
  5. 価格:2万円以下で探しました(SL 2の定価は¥14,300)
  6. 耐久性:ミッドソール素材の耐久性で候補を絞りました
  7. 軽量性:ジョグ用には重視していません

「毎日履きたいと思うか」は、数値にはできません。それでいいと思っています。数値にできる部分(厚さ・価格)だけ数値で確かめて、残りは感覚に任せる——この配分が私のジョグシューズの選び方です。

この選び方をなぞるなら:自分の物差しを1つだけ、数値のレンジで言葉にしてみてください。私なら「前足部25〜30mm」。1つあるだけで、候補の絞り込みが具体的になります。

前足部・かかとの厚さの読み方は数値の読み方ガイドにまとめています。

普段履き兼ジョグ:ペガサス40・41

結論:最優先はデザインでした。数値の出番は価格くらい。それでいい、と思っています。

ジョグシューズは、ミッドソールの回復を考えると2足以上でローテーションしたいところです。そこで2足目として「普段履きもできるオールブラックのジョグシューズ」を探しました。SL 2が軽めなので、軽すぎないこと。候補はNike・On・New Balance——デザインが好みで、オールブラックの色展開があるブランドです。

重視した順に書きます。

  1. デザイン・色:オールブラックであること。普段履き兼用なので
  2. 総合的な感覚:ジョグシューズとして毎日履きたいか
  3. 価格:毎年新作が出るシリーズなので、1年型落ちの前作を狙って買っています

実のところ、ペガサスのソールの厚さは、Nikeが公表していません。つまりこの買い物は「数値を使わなかった」だけでなく、「使える数値が公表されていなかった」でもあります。数値比較サイトの運営者としては皮肉な話ですが、これも実態です。シューログでは、非公表の数値を推測で埋めず「非公表」とそのまま表示しています。

この選び方をなぞるなら:毎年新作が出るシリーズは、新作発表後の前作が値ごろです。前作との数値の差を見てから「型落ちで十分か」を決められます。

新旧モデルの数値差はペガサス41と42の比較のように、比較ページで確認できます。

用途で重みは変わる

結論:レース用は数値の出番が多く、普段履きに近づくほど感覚とデザインが勝ちます。それでいい。

用途 最上位の基準 数値の役割
レース用 タイム 裏付け+事前の絞り込み
ジョグ用 毎日履きたいか 物差しの確認
普段履き兼用 デザイン 価格くらい

同じ人間でも、用途が変わると数値の重みはここまで変わります。だから私は「数値で選べ」とも「感覚で選べ」とも言いません。サイトのタグラインは「ランニングシューズを、数値で選ぶ。」ですが、これは数値が道具として使える、という意味です。あなたの用途の中で、数値がどの役割を果たすか——それを決めるのは、最後はあなたの感覚です。

シューログが約束すること

結論:約束は1つだけ。自分の物差しを作るための材料を、全部そろえます。

そもそも、その数値はどこから持ってきてるの?

シューログ

原則、メーカーの公表値です。一部に算出値があり、その場合は紙面でその旨を明記したうえで、出典のURLと取得日を各シューズのページに書いています。

シューログに載せる数値は原則メーカー公表値で、出典と取得日をつけています。前足部のソール厚のように公表値から算出している数値もあり、その場合は算出値であることを紙面に明記しています。「この数値ならこれを買え」という答えは渡しません。渡したいのは、感覚に根拠を持たせるための材料です。

感覚に、根拠を。

自分のシューズを基準に数値の差を見るなら、シューズ検索のマイシューズ機能からどうぞ。

公開日 2026-08-18|更新日 2026-08-18

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※重量の基準サイズはメーカーにより異なります(各シューズの個別ページに表記しています)

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